リーダーシップ

答えは現場にある|コロナ対策室378時間残業から見えるもの

新型コロナ対策室のある職員さんが1ヶ月で378時間の残業をしていたということが判明したというニュースが流れました。378時間というと単純に30日で割り算すると1日11~12時間です。1ヶ月ほとんど寝る間もなく業務をしていた感じです。とんでもない事実です。その部門の1ヶ月平均残業時間は122時間というのだからすごいです。

大臣は会見で、「すべての職員を把握することはできない」という前置きをした上で申し訳なかったと言ったそうです。次に「自分では目が行き届かないので部下にちゃんとするように指示を出した」と答弁しました。

大臣から言われた部下はまたその人の部下に「何やってんだすぐ調べろ」と言います。言われた部下は「何やってんだ!すぐ対策しろ」と言います。そしてまた部下に言う。この繰り返しです。最終的にしわ寄せがいくのは担当者です。

担当者はたくさんの調べて、たくさん資料を作ることになります。内容はすべて上司への説明資料。余計な作業です。結果また残業が増える。悪循環です。

サラリーマン時代、そこそこの組織にいた時も同じような事が起こっていました。突然上から指示が降ってくるんですよね。A役員がこういう事言っている、ついては説明しないといけないから資料を作れと。「これだとこう突っ込まれるからこうしろ」持っていく前から何度も何度も作り直しになります。

本来会社がやらないといけないのはお客さまに向いたこと。お客さまがどう思っているのか、お客様がどうしたいのかというのが全て。でも大事なところがぶっ飛んじゃって上司のご機嫌伺いばかりやっているんですね。そんな光景を思い出しました。

「うちの会社って官僚的な組織だよなあ」なんてよく口にしていました。まさに今回のニュースは官僚そのものです。いまだにこんな旧態依然としたことを平気でやっているのですね。

378時間もの残業が恒常的なものだとすれば、その職員はすぐに潰れてしまいます。大きな問題になるのが目前まで来ています。この窮地に何をしないといけないか?一番上の決裁権を持っている人物事が現場に行くことです。

現場に行って自分の目で見て自分の耳で聞くから始めることです。今回の例でいうと、大臣が目が行き届かないから何とかしろじゃなくて自分が378時間残業した当事者と会って、その周りでどんなことが起こっているのかを感じることです。

そうすれば答えが見えてきます。シンプルに何をしないといけないかがわかります。下から伝言ゲームで上がってくる情報は途中でそぎ落とされていきます。本当の現実はどこかに消えていきます。誤った情報が上の人の耳に入ると悪循環が起こります。

起こっている問題は自ら一刻も早く現場に行って自分で確認する。鉄則です。

はたらく元気をつくるラジオでも話しています。よかったらどうぞ。

現場、現実、現時点