話題のドラマ、グランメゾン東京。三ツ星を取ることを目標に描かれた料理人の世界の話です。昨年末に終了。放送当時は観ていなかったのですが、娘に教えられて録画を視聴、熱いストーリーに惹き込まれハマってしまいました。ためていた録画をこの2週間ほどで全部見終わりました。
もう一つが寅さん。「男はつらいよ お帰り寅さん」を観に行きました。寅さんには縁がなく今回が初めてでした。現在と回想シーンが行き来するストーリー。これまでの内容はまったく知らないのに、心が熱くなりました。
フレンチシェフと寅さん。一見全く違うジャンルのように思えます。一方は洗練され、もう一方は下町の話、真逆です。でも本質はそうではないのですね。
「一人ひとりのことを想う」。尾花は挫折しそうなメンバーを突き放すような言い方をします。でもその裏側には一人ひとりの個性をひき出し、自信をつける愛情があります。寅さんもしかり。べらんめえ調で言いながらも、目の前の人の気持ちを汲み取ります。
「思いやり」。尾花は一見冷たい人間のように見えます。でも内面は誰よりも仲間のことを思い、決して見捨てることをしません。寅さんはご存じの通りの人情家。悩んだ相手の話にしっかり耳を傾けます。
「人のつながり」。「本当のチームになれたな」まとまりのなく、いろいろな背景や事件で試行錯誤を重ねた結果、レストランのメンバーが一つになった瞬間のセリフ。寅さんの実家の居間で鍋を囲んで談笑する場面と懐かしい面々が寅さんを囲んで一家団らんするあったかいシーン。胸が熱くなりました。
「自分に正直に生きる」。二人とも思ったことをそのまま口に出します。腹の中にためるなんてことはしません。ストレート過ぎるので時に誤解を招くことがあります。でも根っこには純粋な心があるのをわかっているから、周囲を巻き込んでいきます。
こうしたドラマや映画がうけるということは、みんな心のどこかでこうしたことを求めているということだと思います。AI化や人間関係が希薄になった現在にこそ、忘れてはいけない大切なことだと思います。
いろんなことを考えて複雑にすればするほど、物事はややこしくなるばかり。結局はみんなシンプルなんですね。人間ですから。そう考えることの大切さを学びました。
基盤になるのは人間性