ご当地紹介

今日ここでしかできない体験ができた名寄

名寄商工会議所さんでの講演でした。旭川空港経由で電車で前泊入り。旭川では既にマイナス13度!驚きです。さらに宗谷本線で北上、ローカルなワンマンの一両電車は満員でした。19:30過ぎに名寄駅に到着。駅に降り立つとそこは今まで経験したことがない別世界。駅前の温度計はなんとマイナス17.1度を表示していました。

道路はツルツルに光ってスケートリンク状態。人もほとんどいない静寂の中、滑らないように恐る恐る歩きます。ホテルまでは徒歩10分の距離とありました。途中でコンビニを探して何とか到着。暖かい部屋に癒されました。

こんな場所へ革靴という超場違いな装い。直前に心配になってアマゾンで購入したアイゼンがなかったら、絶対にホテルまでたどり着けませんでした。

ホテルの朝食は絶品。ホッケ、ザンギ、ホタテフライなど北海道ならではのおかず。加えて地元ほうれん草はシャキシャキと瑞々しくて味が濃く甘みのある美味でした。当店一番人気カレーとあったので、朝からおかわりまでしてしまう始末でした。

「しばれるとマイナス20度が4、5日続くときもありました。最近は温暖化でそういうことも少なくなりましたけど・・・」ホテルのマスターらしき人が話してくれました。しばれるという言葉に北海道を感じますね。マイステイズ名寄は部屋も清潔感にあふれいておすすめの宿です。

翌日は講演会場まで少し遠回りをしながら歩いてみました。温暖化で減ったとはいえ、初めて来る人にはびっくりの積雪量。ホテルの前も除雪のシャベルカーが手慣れた作業で雪をダンプに積み込んでいました。

雪で滑る通りで、お孫さんをそりに乗せて歩くおばあちゃんとおかあさんの姿が微笑ましかったです。

担当の方と夜に着いたときの話をすると、「本州と北海道の人は雪の歩き方が違います。前を向いてテクテク歩くとこけて、肘を骨折したりします。前傾姿勢でかかとから歩くのがコツです」と教えていただきました。なるほど!

名寄の三大名物と言えば、もち米とアスパラとひまわり。もち米の作付け生産量は日本一。伊勢の赤福や某有名メーカーのアイスにも名寄のもち米が使われています。つきたての餅は衛生面で食べられなくなっているのがさみしいところとのことでした。

アスパラは朝採れもぎ立てがモットー。ポキンと折ると中から水が出てくるくらい瑞々しい新鮮さが特長です。アスパラ農家も多く、寒暖差が大きい土地柄ならではとのこと。5月後半から6月中限定の特産物です。

夏はひまわり畑が見渡すかぎり広がります。映画撮影でもよく使われるそうです。タネからとれるひまわり油はオリーブオイルより抗酸化作用がありオレイン酸も豊富。からだにやさしい植物油。ヨーロッパではメインだそうです。ほんのり香りとコクがあります。

食では煮込みジンギスカン。通常のジンギスカンは円形の鍋で焼いたものですが、最初から鉄鍋でぐつぐつ煮込んで食べます。地元の人は車庫に集まって鍋を食べるそうです。食べ方にルールはない、美味しければOKという考え方は共感です。

厳冬期、太陽が上下に伸びて柱状に見える「サンピラー現象」、皇室の人の声から始まった「雪質日本一」、日本で二番目に大きい天文台などまだまだ話題が尽きない名寄。やはり自然の雄大さに勝るものはないですね。

帰りはちょうど乗れた特急サロベツから車窓をたのしみ、空港で飛行機の待ち時間で旭川ラーメンで腹ごしらえ。ぎりぎり締まりました。

「昨日が寒さのピークでした」と担当の方の話。この季節、この日に来れたからこそ体験できた特別の時間。ありがたいことです。また違う季節の名寄を体験したいと思います。(2020.2.10取材)