ご当地紹介

新宮はのんびり電車旅に格好の町

新宮商工会議所さんのセミナー登壇。新宮は20年以上前にサラリーマン時代数回訪れた町です。その頃は大阪から特急くろしおに乗って行きました。今回は名古屋から特急南紀で。座席が床より少し高くなっていて、窓が大きい車両が特長的でした。道中の車窓からはときどき入り江が見え、きれいな川が多いのが印象に残りました。

まず「新宮と言えば何」から質問しました。すると「熊野速玉大社」の名前が返ってきました。熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社の3社を熊野三山と呼びます。全国に熊野神社は何と3000箇所!その総本宮がここ。すごいですねー。

神倉山山頂付近には、熊野速玉大社の摂社「神倉神社」と御神体のゴトビキ岩があり、2月には「お燈まつり」が行われます。女人禁制で白装束を身にまとった男たちが御神火を移した松明を持って、山頂から538段の急峻な石段を駆け下ります。取材した担当の方も毎年参加。言葉で表せない興奮と清められる感覚になるそうです。一般参加もでき、タレントの原田芳雄さんが生前毎年参加していたみたいです。

食と言えば、めはり寿司、サンマ寿司。サンマは北海道から南下してきて脂がそぎ落とされたものを使います。めはりの高菜、サンマといった材料が少なくなってきたのが課題とのこと。異常気象の影響でしょうか?駅のホームへ向かう階段にはサンマの丸干しが。

もう一つの名物がなれずし。なれずしとは、魚を塩と米飯で乳酸発酵させたもの。においがあって、担当の方も昔は食べることができなくて、でも食べ出したらハマってしまったそうです。お酒は「太平洋」がメインの銘柄でだいたいどこのお店に行っても置いてあります。尾崎酒造さんはワイングラスで飲む美味しいお酒の酒蔵です。

さんま寿司を食べるなら新宮駅前の「徐福寿司」がおすすめ。町には居酒屋も多く、やはり魚関係は間違いないみたいです。

お菓子屋さんが多いのも特長です。この辺りで有名なのは「鈴焼」。鈴の形をしたカステラ風のお菓子。ここでしか売っていないのもあって、地元の人もおみやげで買って帰る人気商品です。こうした和菓子屋、飲食店など、町の規模の割りに商店が多いところです。

商工会議所にあった「熊野材の家」という木の看板が気になりました。元々このあたりは木材で栄えた場所。熊野川を通じての集積地になっていました。その昔は華やかで芸者さんもいたと言い伝えがあります。

関西からも名古屋からも海沿いの電車に揺られながらのんびり旅。一度訪れてみたい町です。(2020.1.25取材)