ご当地紹介

郡山から会津そして福島県は三泣きする場所

郡山とある業界団体さんの講演登壇。郡山は福島県第一の都市。県内各地から参加者があるとのことでこの地での開催になりました。担当の方が福島や会津ご出身だったので、範囲を少し広めでお話を伺うことができました。

「一番寒いときなのにこんなにあったかくてほんとおかしいんだよねー」と会場までのタクシー運転手さん。雪が少ないと水不足になって農家の人が大打撃を受けるとのこと。自然環境の変化は大きな問題になってきています。

会場の窓からは雪をかぶった磐梯山が見えました。「建設業関係はこの時期、除雪作業が結構な仕事のはずなのですが今年は少なくなっています」会津から参加された方も雪不足を嘆いていらっしゃいました。

最初に出た興味深い話。福島県は天気予報のエリア分けがとってもユニーク。海側から内陸へ向けて、浜通り、中通り、会津の区分けで放送します。こんな分け方って他ではあまりないですよね。気候もそれぞれ違います。また各々を「方部(ほうぶ)」と呼びます。ここだけの方言おもしろいですね。

「会津の三泣き」と呼ばれるものがあります。会津の人は、最初は心を許さないので何も話さないし、とっつきにくい気質があります。他県から会津に赴任すると、よそ者感に一泣きする。一度打ち解けると親身になってくれて二泣きする。そしてこの地を去るときは情の深さに心を打たれ三泣きするという意味です。

全国で話をさせていただいて、このことは会津に限ることなく、総じて東北地方の人に共通する気質のような気がします。「こうした講演で質疑応答の時間をつくってもまず誰も手を挙げないですよ」とは担当の方談。なるほどですね。

続いて食の話。「馬肉ってお酒のつまみという感じですよね。私にとってはごはんのおかずです。にんにくしょうゆや辛子味噌をつけて、ごはんにくるっと巻いて食べてましたよ」と会津ご出身で馬肉で育ったという担当の方はおっしゃっていました。

郡山のソウルフードといえば「クリームボックス」。厚切りパンにミルク風味NOクリームをたっぷりのせたもので、市内のパン屋さんならどこでも置いてある定番商品。「正月屋」は飽きがこない正統派ラーメンで行列ができるお店とのこと。行ってみたい!

米どころだけに美味しいお酒があります。日本酒「飛露喜(ひろき)」は会津坂下(ばんげ)町の銘酒。即その名前が挙がりました。郡山にはなんと日本酒で乾杯する条例まであるそうです。

乗車時間がなく、新幹線のKIOSKでおみやげを買いました。「柏屋の薄皮饅頭」。甘さ控えめ、ほんのり塩味、皮が薄いのであんこの美味しさが引き立ちました。「○○○なんだよね~」という語尾がとても温かみがあって優しい福島。三泣きする理由がわかった気がします。(2020.2.3取材)