日経MJという紙面。ちょっと先取りした世の中の動きを紙面で見渡すことができる。キャッチコピーの勉強になる。ビジネスのアイデアを拾える。そんな他にない豊かな情報源としてずっと愛読しています。
「想像オンエア、ラジオCM復活」というタイトルでラジオ広告の話が取り上げられていました。テレビやネットに押され、存在感が薄れたラジオ。広告出稿量も減少の一途をたどる傾向にありました。そんなラジオ広告が見直させているという内容です。
「ストーリーを伝えるのにビジュアルはない方がいい」「映像がないラジオだからこそ商品の世界観を十分に伝えらえる」「ドアを開け閉めする音、エンジンの音・・・音は想像をかき立てる」「広告単価でもテレビよりずっとコスパが高い」などスポンサーになる企業が増えているそうです。
ラジオ番組には熱烈なファンが多いのも特長。オールナイトニッポンのメインスポンサーはニチレイです。パーソナリティーのオードリーのファンが毎回CMで流れるニチレイを耳にしてニチレイのファンになったという事例が紹介されています。「短期的なCMの効果に疑問を抱き、長く続けられることを前提に出稿先を決めた」と印象的なコメントが載っています。
一方で雑誌の休刊、廃刊の影響で広告を出す先が減ってきたこと。ネット動画やSNSに疲れた若年層がラジコなどのラジオ放送配信アプリでスマホでラジオが気軽に聴けるようになったことも背景にあるようです。
声からは人柄が伝わってきます。いつも何気なく聴こえてくるパーソナリティーの声。「この人、いつも元気を与えてくれるけどどんな人なんだろう?」そんなふうに思ったことありますよね?人柄をリアルに伝えられるメディアはラジオ以外にはないのではと思っています。
話す方からすると、結構自分の素が出せます。ひとりなので自分の世界に入っていきやすいからです。周囲の目を気にしているとそうはいきません。カメラなんて向けられたら普通の自分ではなくなりますよね。話す側からしても自分の人となりを伝えやすいのだと思います。
僕も自前ラジオ番組をかれこれ4年やっています。最初はどんなことをしゃべろうか?聴いている人にウケるネタは何だろう?アクセスを増やすにはどうしたらいいのだろう?などいろいろ考えていました。でも今は違います。週イチ、ラジオをやることはすっかり生活の一部になっています。番組内に「団長の一週間」という定番コーナーがあリます。直近の一週間にあった出来事を紹介させてもらっています。毎回これをやることで、自分自身の振り返りが定期的にできる効果があるわけです。
かげりを見せたと言われてきたラジオの復活。世の中は流行やトレンドを追いかけその場その場で物事を見がちです。でも一方でつながりを持つことを続けているベーシックなものがあります。その良さを忘れることなく、さらにそのことに光を当てることを忘れないでいたいものです。
短期的より長く続けられるものを大切にしよう